(1)不貞の意味

離婚事由における不貞行為は、婚姻外の異性と自由な意思のもとに性的関係を結ぶことをいいます。
もっとも,離婚事由たる不貞行為と、慰謝料請求における不貞行為は、その意味が異なることがあります。慰謝料請求においては、性行為・肉体関係を伴わない行為であっても、婚姻生活を侵害・破壊に導く可能性のある行為は、不貞行為にあたり得ます。
裁判例では、性交類似行為(手淫行、口淫行、同性間性交など)、同棲、愛情表現を含むメールのやりとりも不貞行為にあたるとしたものがあります。

(2)慰謝料請求

ア 不貞行為を行った配偶者に対する慰謝料請求

不貞行為は離婚事由となるだけでなく、婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害したことになります。そのため、被害配偶者は、加害配偶者に対して、不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)をすることができます。なお、不貞行為がなされたとしても、その時点においてすでに婚姻関係が破綻していたような場合には、婚姻生活の平和を破壊したとはいえないので、損害賠償義務も負いません。

イ 第三者(不貞行為の相手方)に対する慰謝料請求

第三者(不貞行為の相手方)も、不貞行為をした婚姻当事者と共同して 不法行為をしたことになるので、同じく被害配偶者に対して損害賠償請義務を負います。

ウ 子の第三者(不貞行為の相手方)に対する慰謝料請求

子の第三者(不貞行為の相手方)に対する慰謝料請求は、原則として認められません。
判例は、父親が妻以外の女性と同棲をした場合において、父親の未成年の子は、相手方の女性に対して、「その女性が害意をもって父親の子に対する監護等を積極的に阻止するなど特段の事情がない限り、右女性の行為は未成年の子に対して不法行為を構成するものではない」としています(最判昭49・3・300)。その理由は、父親が未成年の子に対して愛情を注ぎ、監護、教育をすることは、他の女性と同棲するかどうかに関わらず、父親の意思によって行うことができるから、未成年の子が父親の愛情、監護、教育を受けることができずに不利益を被ったとしても、そのことと女性の行為との間には相当因果関係がないといえるからとしています。
もっとも、裁判例では、未成熟の子がいる場合には、被害配偶者の第三者(不貞行為の相手方)に対する慰謝料請求において、慰謝料の増額事由として考慮されることがあります。

(3)慰謝料請求が認められない場合

ア 婚姻関係の破綻

不貞行為がなされたとしても、その時点においてすでに婚姻関係が破 綻していたような場合には、慰謝料請求は認められないとされています。この場合は、夫婦間の婚姻生活の平穏を破壊したとはいえないからです。
婚姻関係が破綻しているかどうかの判断要素として、典型的な事情は長期間の別居です。もっとも、裁判例では、別居という事実のみで婚姻関係の破綻を認めているわけではなく、その別居に合理的な理由があれば婚姻関係が破綻したとはいえないとしています。

婚姻関係破綻の有無

①婚姻の期間
②夫婦に不和が生じた期間
③夫婦双方の婚姻関係を継続する意思の有無やその強さ
④夫婦関係修復への努力の有無やその期間等を考慮して判断されます。

イ 消滅時効

不貞行為による慰謝料請求は、不法行為に基づく損害賠償請求であるため、3年間の消滅時効にかかります(民法724条1号)。消滅時効にかかると、被害配偶者は、加害配偶及び第三者に対する慰謝料請求はできなくなります。
消滅時効の起算点は、被害者が損害を知ったときになります。被害者が損害を知ったときは、夫婦が離婚する場合には離婚成立時、離婚しない場合は不貞行為を知ったときになります。

(4)慰謝料の算定

慰謝料請求は、被害者の精神的苦痛を慰謝するものであるため、本来金銭に換算するのが難しいものです。そのため、慰謝料額の算定について絶対的な基準はなく、裁判所が諸般の事情を考慮して判断します。
離婚の有無によっても大きくも異なりますが、慰謝料額の相場としては、100万円~300万円が多くなっています。

慰謝料算定の考慮事情

①夫婦の年齢
②子の年齢及び養育状況
③職業・収入
④婚姻関係破綻の有無
⑤同居か別居か
⑥不貞行為の状況・期間
⑦離婚の有無
⑧第三者の年齢・職業等になります。

(5)弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所の解決事例

1 夫が不貞しており、慰謝料として金300万円で離婚した事例
2 不貞の第三者に慰謝料を請求し、金200万円を獲得した事例

(6)よくある相談例

1 妻が浮気をしているのを発見したが、どうしたらよいか。
2 夫が浮気している疑いが高いです。どのような証拠をどのようにあつ めたらよいでしょうか。
3 長期間別居状態であったため、他の女性と性的関係をもったところ、妻から慰謝料請求され、納得いかない。

(7)弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所長崎オフィスの取り組み

当事務所では、不貞に関するトラブルについてのご相談を日々多数お受けしております。不貞問題は男女を問わず、日常的に起こっています。会社の上司や部下、友人、職場の同僚、出会い系サイトで出会った人等、様々な方と不貞関係に陥る可能性があります。
このような不貞問題が発生した場合には、証拠が極めて重要です。探偵に依頼したり、日記やメールなど身近なものが証拠となる可能性があります。
不貞が疑わしいなと思った場合や,不貞行為について責任追及したいなと思った場合には、まずは当長崎オフィス弁護士にご相談下さい。